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ガタゴト
ところで君はどこで
ないてたの 忘れたの
ゆるやかに流れる緋色の窓辺
見ていたよ雲の向こう
古いランプにテトラポッドや
低い屋根 凪いだ町
にぎやかな世界の瓦礫をこえて
見つけたよ君の顔
いつまでもこうして
偶然をたどって
仄暗い電車の中
ガタゴトガタゴト
海の向こうへと
ゆるされる限り遠くへ
名前も形もない気持ち
窓の外投げ捨て
波風の揺らすラムネの瓶と
夕映えて沈んでく
うたうカワセミ 寝床に戻り
銀の船も帆をたたむ
ゆがんで見えた高層ビルは
思い出に沈んでく
いつまでもこうして
海岸線を走って
夜の風を浴びながら
ガタゴトガタゴト
どこへ行こうとも
ゆるされる限り近くで
どこまでもこうして
必然を装って
何もない世界だから
ガタゴトガタゴト
一緒にいくよ
ゆるされる限り遠くへ
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