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くちなし

裸の君が笑っている

不思議な花を手に持って

夕闇の窓を開けて眠っていたら

その毒ですぐに殺されそうだよ

 

君の頭にこびりついた

花や虫たちの記憶が

全部一瞬で消えて

誰も見えない色になって

町をさまよっている君を

夕焼けが映してる

 

君の口のかたち

君の指の隙間

布団に横たわり

思い出してる

 

裸の君が覗いている

不思議な花を手に持って

夕闇の窓を開けて眠っていたら

その毒でぼくも殺されそうだよ

 

君の頭にこびりついた

物や人たちの名前も

ぜんぶ一瞬でわすれ

誰もきけない声をだして

町を見下ろしている君を

夕焼けが映し出す

 

君のかおりがすき

君の言葉がすき

布団に横たわり

思い出してる

 

裸の君が喋っている

不思議な花を手に持って

夕闇の窓をしめて歌っていれば

その言葉

僕には聞けなくなるだろう

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