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花と眠る

間違える度鎧は溶けていった

いつの間にか少しさわれた

目が合う度時計は止まった

どこにいても繋がれたようだった

仄暗い路地を抜けて

生まれた街並みを越えて

歩いても眠っても横にいたのは

きみの幻

 

間違える度魔法は溶けていった

霧が晴れて目が覚めるように

目が合う度二人俯いた 

花が枯れて項垂れたようだった

 

仄暗い路地を抜けて

見つけたあの日の海辺で

きらめくのは夕映の波に浮かんだ

君のまなざし

 

仄暗い部屋の底で

古びた人形を抱えて

微笑むのは花びらを浴びて眠った

君のまぼろし

 

間違える度鎧は溶けていった

いつの間にか少しさわれた

振り返るたび呼吸は止まった

どこにいても繋がれたようだった

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