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犬の仔
海岸で吠えてる
ひとりきりの犬たち
時計台の影が伸びて
人の形になる
夕焼けはひらひら
漫画みたいに浮かぶ
その切っ先が折り重なり
空へ交わってく
お母さんの消えてく写真
僕の記憶も消えて
懐かしさが体を抜ける
その音を聞いている
墓石の向こうから
飛行機がやってきて
学生帽も風に飛んで
柵を通り抜ける
人知れず笑った
孤独な子供達
その一生の物語に
誰も踏み込めない
お母さんの消えてる写真
僕の記憶も消えて
懐かしさも寂しさもなく
穴ぼこは塞がってく
たどり続いた低いビル街
せまい花壇の裏で
やせ細った犬の子供が
意味もなく遠吠えてる
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