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転寝​

風が髪の隙間をすり抜けて

抱きしめた人はきれいだった

思い出せば長い夢は覚めて

寝違えた僕はただ黙ってる

寄る辺ないこの空の下

人波に流れて冷たく

浮かぶしかないんだろう

ああ何か代わりがほしいんだ

 

泳ぐ魚 街灯にもたれて

駅前広場は夢の中

歌う人は眠そうなまぶたで

夕焼け曇る街を見ている

 

寄る辺ないこの世界では

しがらみに抱かれて冷たく

眠るしかないんだろう

ああ何か代わりがほしいんだ

 

眠ったまま都会をすり抜けて

いつまでもみんな夢の中

笑い声は波の音になびいて

ほらくす玉が割れて目覚めた

風が髪の隙間をすり抜けて

抱きしめた人はきれいだった

思い出せば長い夢は覚めて

寝違えた僕らまた黙り込む

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